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寒い時期に多い「しりもち」による椎体骨折と「いつの間にか骨折」

― 骨粗鬆症診療ガイドライン2025に基づく骨折連鎖を防ぐための重要なポイント ―

寒い時期になると、路面の凍結や足元の不安定さにより転倒事故が増加します。
整形外科外来ではこの季節しりもちをきっかけに発症する
椎体骨折(脊椎圧迫骨折)の患者さんが多く受診されます。

👤 よくある受診のきっかけ


・転倒したが歩けたので様子を見ていた
・強く打った記憶はない
・数日後から腰や背中の痛みが強くなった

このような場合でも、画像検査を行うと椎体骨折が判明するケースは少なくありません。
早期のレントゲン検査では骨折が明らかではなくMRIをようするケースもあります。

🦴 椎体骨折と「いつの間にか骨折」

 

椎体骨折の特徴の一つは
明らかな外傷がなくても起こることです。
これが一般に「いつの間にか骨折」と呼ばれる状態です。

骨粗鬆症が進行していると、

・軽く尻もちをついた
・くしゃみや咳をした
・重い物を持ち上げた

といった日常生活動作でも椎体骨折が生じることがあります。

⚠️ 痛みが軽度な場合、骨折に気づかれないことも多く、
その結果、

・背中や腰が丸くなる
・身長が縮む
・慢性的な腰背部痛が続く

といった変化として現れてきます。

🔗 椎体骨折は「連鎖する」

文献とガイドラインが示す重要な事実

骨粗鬆症診療ガイドライン2025では、椎体骨折を含む脆弱性骨折は
将来骨折の最も強力な危険因子と明確に位置づけられています。

📖 Lindsayらの研究(JAMA 2001)では、新規椎体骨折を起こした患者は
1年以内に次の椎体骨折を起こすリスクが約5倍に上昇することが示されています。
📖 Klotzbuecherらのメタアナリシス(J Bone Miner Res 2000)では
既存の椎体骨折があることで、
・新たな椎体骨折
・大腿骨近位部骨折のリスクが2から4倍に増加することが報告されています。

👉 椎体骨折は一回きりの問題ではなく
骨折連鎖の始まりに過ぎないこともあります。

🚨 特に注意すべき大腿骨近位部骨折

椎体骨折の次に最も警戒すべきなのが、大腿骨近位部骨折(股関節の骨折)です。

この骨折は、

・歩行能力の大きな低下
・要介護状態への移行
・生命予後の悪化

と強く関係しています。

📖 Haentjensらの報告(Ann Intern Med 2010)では
大腿骨近位部骨折後の1年以内死亡率は10から20パーセントとされ、特に高齢者では深刻な問題です。

椎体骨折により姿勢が前かがみになり、バランス能力が低下すると、転倒リスクが高まり、大腿骨骨折につながりやすくなります。

👉 椎体骨折は、命に関わる骨折への警告サインです。

 

💊 骨粗鬆症診療ガイドライン2025に基づく治療の考え方

 

骨粗鬆症診療ガイドライン2025では、
脆弱性骨折(大腿骨近位部骨折、椎体骨折を含む)
が確認された場合、骨密度の値に関わらず薬物治療を検討すべき
とが示されています。

これは、
・骨折を起こした時点で骨の強度が低下している
・骨密度だけでは骨折リスクを過小評価する可能性がある

ためです。

骨形成促進薬(副甲状腺ホルモン)、ビスフォスホネート製剤
デノスマブなどの治療は、

・椎体骨折の発生を40から70パーセント低下
・大腿骨近位部骨折のリスクも有意に減少

させることが、多くの臨床研究で証明されています。

📏 骨密度検査の重要性


見えない骨の状態を「見える化」する

骨粗鬆症の評価において、骨密度検査は極めて重要です。
特殊な場合を除き、一番正確な大腿骨と背骨の両方で図るDXA法が推奨され
当院でもFujiFilmの骨密度測定機械を導入しています。
骨密度検査により、

・骨粗鬆症の診断
・骨折リスクの評価
・治療効果の判定
・治療継続の必要性判断

が可能になります。

ガイドライン2025でも、椎体骨折が疑われる患者や高齢者では、積極的に骨密度測定を行うことが推奨されています。

👉 痛みが落ち着いても、骨の状態は改善していないことがあります
👉 骨密度検査は「次の骨折を防ぐための検査」です

🔄 治療をつなげることが将来を守る

骨粗鬆症治療は、開始すること以上に継続することが重要です。

・症状が改善したから中断
・自己判断で通院をやめてしまった
・年齢のせいだと諦めてしまった

これらはすべて、骨折連鎖を止める機会を逃すことにつながります。

椎体骨折は治療開始の合図です。
骨密度検査と骨粗鬆症治療を継続し
次の骨折を防ぐことが、生活の質と命を守ります。

📝 まとめ


・寒い時期のしりもちは椎体骨折の原因になる
・いつの間にか骨折は決して珍しくない
・椎体骨折は骨折連鎖の出発点である
・大腿骨近位部骨折は生命予後に直結する
・ガイドライン2025では骨折があれば治療介入を推奨
・骨密度検査は次の骨折を防ぐために不可欠

 

腰や背中の痛み、身長低下、姿勢の変化が気になる方は、早めに骨粗鬆症専門医のいる当院へご相談ください。