9月の運動会シーズン、お子さんの「オスグッド病」にご注意を
9月は多くの学校で運動会が開催される季節ですね。お子さんが練習に励んでいる姿を見るのは嬉しいものですね。
「膝の下の骨が飛び出てきた」「走ると膝が痛い」といった症状でお悩みのお子さんはいませんか?
今回は、成長期の子どもに多く見られる「オスグッド病」についてお話しします。
オスグッド病ってどんな病気?
オスグッド病は、正式には「オスグッド・シュラッター病」といい、成長期の子どもが膝を酷使することで起こる病気です。特に、ジャンプやダッシュを繰り返すサッカーやバスケットボール、バレーボールなどのスポーツをしている10歳から15歳頃の子どもによく見られます。
なぜ膝が痛くなるの?
子どもの骨は、まだ成長段階で柔らかく、特に膝の下にある「脛骨粗面(けいこつそめん)」と呼ばれる骨の部分に、太い靭帯がくっついています。
運動によって膝を曲げ伸ばしするたびに、靭帯が脛骨粗面を引っ張ります。
成長期の子どもの骨はまだ弱いため、繰り返し引っ張られることで、脛骨粗面の軟骨や骨の一部が剥がれ、炎症を起こしてしまいます。これが、膝の下の骨が飛び出して痛くなる原因です。
オスグッド病の主な症状
- 膝のお皿の下、脛骨粗面がぽっこりと飛び出してくる
- 運動中や運動後に、その部分に強い痛みを感じる
- 痛みがひどくなると、歩くことや階段の昇り降りもつらくなる
「練習中にだけ痛むから大丈夫」と放置するのは危険です。症状が進行すると、骨が完全に剥がれてしまったり、大人になっても痛みが残ったりすることがあります。
ご家庭でできる予防と対策
オスグッド病の治療は、まずは安静にすることが最も大切です。しかし、運動会が近く、休むのが難しいというお子さんもいるでしょう。そんな時は、以下のような対策を試してみてください。
運動後のアイシング
練習や試合の後には、必ず患部を15分ほど冷やしましょう。炎症を抑え、痛みを和らげる効果があります。
太もものストレッチ
大腿四頭筋の柔軟性を高めるストレッチを、お風呂上がりなど毎日行いましょう。ストレッチをすることで、骨を引っ張る力を弱めることができます。
適切な休養
痛みがある時は、無理をさせずに休ませることが重要です。運動量を調整し、膝への負担を減らしましょう。
サポーターの活用
運動中に痛む場合は、オスグッド病専用サポーターを使うことで、痛みが軽減されることがあります。
オスグッド病は、適切なケアと治療を行えば、成長が終わる頃には自然に治ることがほとんどです。
しかし、痛みを我慢して運動を続けると、重症化し、手術に至ってしまうことも稀にあります。
お子さんが膝の痛みを訴えたら、安易に「成長痛だ」と決めつけず、一度当院にご相談ください。
専門的な診断と治療で、お子さんの健やかな成長をサポートいたします。

