クリスマスに潜む足の疲労。整形外科医が伝える足のセルフケア
12月に入り、街はクリスマスに向けて賑わいを見せています。
大切な方へのプレゼントを求めて、長時間歩き回る機会も増えているのではないでしょうか。
しかし、こうした活動は、足や腰に大きな負担をかけ、思わぬ体の不調につながることがあります。
今回は、年末の買い物で生じやすい足の疲労とその予防
そして帰宅後の効果的なセルフケアについて、整形外科の視点から解説します。
なぜ買い物で足が疲労するのか
普段よりも長い距離を歩いたり、硬い路面を歩いたりすることで、足には以下のような負担がかかります。
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筋肉への過度な負荷: 長時間の歩行は、足底の筋肉やふくらはぎに継続的な負荷をかけます。
これにより、筋肉の疲労が蓄積し、炎症を引き起こすことがあります。 -
血行不良とむくみ: 立ちっぱなしや座りっぱなしの時間が長くなると
重力の影響で血液やリンパ液が足に滞りやすくなります。これがむくみの原因となります。 -
歩行姿勢の変化: 足が疲れてくると、無意識に姿勢が崩れ -
かばうように歩くことで、腰や膝に負担が集中し、痛みを引き起こすことがあります。
こうした疲労を軽視すると、足底筋膜炎や足の浮腫みといったことにつながる可能性もあるため、適切なケアが不可欠です。
疲労を軽減するための予防策
買い物に出かける前にできる、簡単な予防策をいくつかご紹介します。
1. 靴の選択
おしゃれを意識しすぎると、足に合わない靴やヒールの高い靴を選びがちです。
長時間歩くことが予想される日は、クッション性が高く、足全体を支える靴を選ぶことが最も重要です。
また、靴の中敷きを工夫することで、より負担を軽減できます。
2. 定期的な休憩
「まだ大丈夫」と感じていても、30分から1時間ごとに休憩をとり
椅子に座る時間を設けましょう。
座っている間に、足首を回したり、軽く屈伸したりするだけでも
血行促進に役立ちます。
3. 荷物の持ち方
買い物袋が重い場合は、片方の手に集中させず、左右交互に持ち替えるか
両肩でバランスよく持てるリュックサックを
活用することをおすすめします。
これにより、体の重心が偏るのを防ぎ、姿勢の崩れを予防します。
帰宅後に行うべきセルフケア
家に帰ってから行うケアは、翌日に疲労を残さないために非常に効果的です。
1. 足を温める
温かいお風呂にゆっくり浸かる、あるいは足湯を行うことで、冷えた筋肉を温め、血行を改善します。40℃前後の少しぬるめのお湯に15分ほど浸かるのが理想的です。
2. ストレッチとマッサージ
筋肉の緊張を和らげ、疲労物質の排出を促すために、ストレッチとマッサージを行いましょう。
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ふくらはぎのストレッチ: 壁に手をつき、片足を大きく後ろに引きます。
かかとを地面につけたまま、前足の膝を曲げ、ふくらはぎを伸ばします。
30秒間キープし、左右交互に行います。 -
足底のマッサージ: 椅子に座り、テニスボールやゴルフボールを足の裏で転がすようにマッサージします。
痛くない程度に特に土踏まずのアーチ部分を丁寧にほぐすと効果的です。
最後に
年末の忙しい時期は、ついご自身の体のケアが後回しになりがちです。
しかし、蓄積された疲労は思わぬ体の不調を引き起こす可能性があります。
今回ご紹介した予防策とセルフケアを実践していただき、新年を迎える準備をしていきましょう。
もし、痛みが続く場合や、セルフケアだけでは改善が見られない場合は、お早めに整形外科専門医にご相談ください。
当院では、皆様の症状に合わせた適切な診断と治療を提供しております。

