秋は膝の痛みに要注意
11月になり、朝晩の冷え込みを感じるようになってきましたね。
気温が下がるとともに
「最近、膝が痛む」
「階段の昇り降りがつらい」
と感じて来院される患者さんが増えてきています。
実は、冬の始まりであるこの時期は、膝の痛みが悪化しやすい季節。
今回は、寒さが膝の痛みに与える影響と
ご自宅で簡単にできる予防・対策について詳しく解説します。
1. なぜ寒くなると膝が痛むの？
寒くなると膝が痛むのには、主に3つの理由が考えられます。
①血行不良による筋肉が硬くなってします
気温が下がると、身体は体温を保とうとして
血管を収縮させ、体温を保とうとします。
これにより血行が悪くなると
膝周りの筋肉や腱が硬くなり、動きがスムーズでなくなります。
筋肉がこわばった状態で動くと
膝の関節に余計な負担がかかり、痛みが引き起こされやすくなります。
②身体の防御反応による痛み
冷たい空気は、膝の感覚神経を刺激します。
これは、身体が「冷え」という危険を察知するための防御反応です。
この刺激により、すでに変形性膝関節症などで痛みを抱えている方は
わずかな刺激でも痛みが強く感じられることがあります。
③軟骨の動きの悪化
膝の関節は、軟骨と関節液によってスムーズに動いています。
しかし、寒さで関節液の粘度が高まると、軟骨同士の動きが悪くなり
関節の摩擦が増えます。
これにより、痛みが悪化したり、関節の動きが鈍くなったりすることがあります。
2. 膝の痛みを和らげる！今日からできる簡単対策
「寒いから仕方ない」と諦める必要はありません。
ご自宅で簡単にできる対策をご紹介します。
①入浴でしっかりと温める
シャワーだけで済ませず、湯船に10分〜15分ほどつかって身体の芯から温めましょう。
温かいお湯は血行を促進し、こわばった筋肉をほぐしてくれます。
膝が特に冷えやすい方は、湯船の中で膝を優しく曲げ伸ばしするのも効果的です。
ただし、無理のない範囲で行ってください。
②膝周りの血行を良くする簡単なストレッチ
膝の痛みの予防には、血行を良くするストレッチが非常に重要です.
椅子に座ってのストレッチ:
椅子に浅く座り、背筋を伸ばします。
片足をゆっくりと持ち上げ、膝を伸ばし切ります。
太ももの前に力が入るのを感じたら、ゆっくりと元の位置に戻します。
これを左右交互に10回ずつ行いましょう。
膝に痛みがある場合は無理せず、できる範囲で行ってください。
③サポーターや保温グッズを活用する
外出時や就寝時に膝が冷えないよう
サポーターやレッグウォーマーなどを活用するのも効果的です。
膝を温めることは寒くなってきた時期には大事なことです。
特に、膝を温める効果のあるサポーターは
関節を安定させ、冷えから守ってくれます。
④適度な運動
寒さで血流低下した膝には、適度な運動は血流を増加させ
また、関節駅を潤滑させることで痛みを軽減させることができます。
具体的なスポーツなどは今までの背景、患者さんの状態・背景によって異なるため、
お悩みの場合は当院へご相談ください。
3. 痛みが続く場合は整形外科専門医にご相談を
ご紹介した対策はあくまで予防や症状の緩和を目的としたものです。
痛みがつらくて日常生活に支障が出ている
安静にしていても痛む
腫れや熱を持っている
このような場合は、放置せずに早めに整形外科専門医を受診しましょう。
膝の治療は現代では多岐に渡っており
早めの対処で大事に至らず生活することが可能になることが多いです。
当院では痛みの原因を正しく診断し
一人ひとりに合った治療法を提案することが可能です。
もし痛みが続くようでしたら、お気軽にご相談ください。
当院は整形外科専門医が皆様の健康をサポートしております。