その肩こり・首の痛み、夏のせいかも?
暑い日が続くと、エアコンの効いた部屋で過ごす時間が増えると思います。
快適な室内で過ごせるのは嬉しいことですが、実はこの時期、肩や首の痛みを訴えて来院される患者さんが増えます。
今回は、夏に起こりやすい肩・首のトラブルとその原因、対策についてお話しします。
痛みを放置せず、快適な夏を過ごすために、ぜひ最後までお読みください。
1. エアコンによる冷え
夏の肩こりの最大の原因の一つは、クーラーなどの空調による体、首回りの冷えです。冷たい空気が直接肩や首に当たると、筋肉がこわばり血のめぐりが悪くなります。
すると、筋肉に疲労物質が溜まりやすくなり、痛みやだるさにつながります。
それが首周りの筋肉に起こると肩こりになってしまいます。
対策
温度調整: エアコンの設定温度を無理に下げすぎないようにしましょう。
服装: 薄着で過ごしがちですが、カーディガンやストールなどを羽織って、肩や首を冷やさないように工夫しましょう。
お風呂で温める: シャワーだけでなく、湯船にゆっくり浸かることで体を温め、血行を促すのも効果的です。
2. 姿勢の悪化
猛暑で外出の機会が減り、自宅でスマートフォンやパソコンを長時間操作する方も多いのではないでしょうか。前かがみで画面を覗き込むような姿勢は、首や肩に大きな負担をかけます。
この状態が続くと、ストレートネックと呼ばれる状態になり、肩こりの不快な症状を引き起こすことがあります。
対策
姿勢の見直し: 椅子に深く座り、背筋を伸ばして画面と目線を同じ高さに保つように意識しましょう。
適度な休憩: 30分に一度は立ち上がって体を動かすなど、こまめな休憩を心がけましょう。
ストレッチ: 首をゆっくり左右に倒したり、肩甲骨を大きく回したりするストレッチも効果的です。
効果的なストレッチ:
首のストレッチ: 首をゆっくりと左右に倒し、それぞれの肩に耳を近づけるように伸ばします。次に、ゆっくりと首を左右にひねります。
肩甲骨のストレッチ: 両肩を大きく前後に回したり、背中で両手を組み、胸を張るようにして肩甲骨を寄せたりします。肩甲骨を動かすことで、肩周りの筋肉がほぐれ、血の巡りが促進されます。
3. 寝具の見直し
寝苦しい夜が続くと、寝返りが少なくなり、同じ姿勢で長時間寝てしまうことがあります。
枕の高さが合っていなかったり、マットレスが体に合っていなかったりすると、睡眠中に首や肩に負担がかかり、朝起きたときに痛みを感じることがあります。
対策
寝具選び: 枕は、仰向けでも横向きでも首のカーブを自然に保てる高さのものを選びましょう。
寝室環境: 質の良い睡眠を確保するためには、寝室の室温と湿度の調整が不可欠です。
エアコンのドライ機能や除湿器を上手に活用し、快眠できる環境を整えましょう。
枕と体の間に大きな隙間があると首を支えることでできなくなることもあるため、首の下にタオルを挟むことも効果的です。
寝汗対策: 吸湿性・通気性の良いパジャマや寝具を選び、こまめに洗濯・乾燥させることで、清潔で快適な睡眠環境を保てます。
最後に
今回ご紹介した対策を試しても痛みが改善しない場合は、一度整形外科を受診することをお勧めします。
肩こりの陰には、頚椎症や頚椎椎間板ヘルニアなどの病気が隠れている可能性もゼロではありません。自己判断で痛みを放置せず、専門医の診断を仰ぐことが大切です。
当院では、整形外科専門医、脊椎脊髄病医である院長が、お一人お一人の痛みの原因を専門的な視点から特定し、適切な治療方針や日常生活でのアドバイスをさせていただきます。肩や首の不調でお悩みの方は、まずはお気軽にご相談ください。快適で健やかな夏を過ごすために、今できることから始めてみましょう。